書評『Site M&A―ウェブサイト売買による経営戦略【竹内敬人著】』

「サイト売買（M&A）のこと勉強したいのだけど、参考書籍とかないかな…？」

そんなときにまずお勧めしたい本が、今回ご紹介する書籍『Site M&A―ウェブサイト売買による経営戦略【竹内敬人著】』です。

こちらの本は、日本で初めてサイトM&Aについて書かれた書籍となっており、2019年現在でも、数少ないサイト売買関連書籍の１つとなっています。

「これからサイト売買に取り組んでみたい！」という方、ぜひ参考にしてみてください。

彦坂康太郎

というわけで、こんにちは。
サイトM&Aカレッジ学長の彦坂です。

私はこれまで、過去に10回以上のサイト売買をした経験があります。
また、現在ではサイトM&Aをしたい方向けにアドバイザーとして活動しています。

そんな私が今日は、『Site M&A―ウェブサイト売買による経営戦略【竹内敬人著】』を読んだ感想を書いてみたいと思います。

ぜひ、最後までご覧いただけると嬉しいです。

この記事の目次（クリックで飛べます）

1 サイト売買をする目的、メリットを知ることができる
2 売主がサイトを売る理由を知ることができる
3 サイトの資産評価基準を知ることができる
4 実際のケーススタディを知ることができる
5 まとめ：サイトM&Aの基礎を学びたい方にお勧めです。

サイト売買をする目的、メリットを知ることができる

2019年現在、サイトM&Aに関する情報サイトは少なく、体系的にまとめられた情報が手に入れにくいのが実情です。そんななか、本書では下記のようなサイトM&Aの概要を知ることが可能です。

サイトを資産として捉える考え方
売る側と買う側のメリット
ネットビジネスにおける選択と集中

サイトM&Aを初めて知った方にとって、重要な基礎知識となるでしょう。

売主がサイトを売る理由を知ることができる

サイトを売りたいのには理由がある。その理由について、詳しく解説されています。本書で紹介されている売りたい理由は以下の６つです。

・事業からの撤退
・経営資源の集中
・成長分野への転身
・運営難
・運用開始前に撤退
・資金調達

サイトを売るのにはそれなりの理由があります。また、それら理由は必ずしも良い理由ばかりではありません。

M&Aでは売手が本音を言わないケースは多々ありますから、事前に売手の心理を知っておくためにも、売りたい理由を学んでおくことには価値があります。

サイトの資産評価基準を知ることができる

「Webサイトは資産になる」そう聞いたときに、あなたはどんな点に資産価値を感じるでしょうか？
本書では、サイトの資産価値基準として以下の例を挙げています。

・利益
・アクセス数
・会員数、登録メールアドレス数
・SEO
・客単価
・付加価値

初めてサイト売買に取り組むとき、サイトの価値をどう測ればいいか迷います。
そんなとき、判断基準を持っておくことで、常に冷静な判断を下すことができます。

ただし、ここで挙げているのはあくまで入門的な指標になっています。
そのため、利益やアクセス数だけ売買額を決めてしまうのは危険とも言えますね。

正確な査定をしたい場合は外部のアドバイザーを雇うか、または、自分なりの経験値を積み上げていく必要があります。

実際のケーススタディを知ることができる

ここまでいくつかのポイントをお話してきましたが、個人的に本書でもっとも価値があると感じている情報は、最終章にあるケーススタディです。

サイトM&AはSEOであったり、コンテンツのジャンルなどの特性上、事例が公開されるケースは非常に稀です。
そんななか、本書では６つの実例を知ることができます。

・ネットとリアルサービスの融合を目指し高度なSEO対策サイトを購入
・サイト売却で起業資金の調達と増資を実施他社に真似のできない独自サービス提供へ
・会社員からネット起業家へ転身サイト購入でスピーディな立ち上げを実現
・サイト購入は収益基盤の安定化本業に専念できる環境を獲得
・投資目的で高利回りサイトを購入運営を委託して、効率的に投資を回収
・サイトを不動産営業ツールとして活用リアルとの融合で相乗効果を発揮

「習うより慣れろ」という言葉があるように、ただ知識として知ったとしても、現場で活かせる力にはなりません。

だからといって、数十万、数百万、数千万もするサイトをいきなり買うのも怖いですよね。
そういう時ほどこういった事例からリアリティのある情報を収集し、自分が実際に体験したかのようにイメージすることで、疑似体験することが可能です。