基礎知識

サイトの資産価値を決める2つの基準を解説!スタンドアローン価値とシナジー価値。

「Webサイトの資産価値ってどうやって決まるのだろう?」
「より高い金額でサイトを売却するにはどのような相手に売ればいいの?」
「より安い金額で価値の高いサイトを買収したい」

そんな思いを抱えてはいませんか?

Webサイトの資産価値判断には、2種類の指標があります。
スタンドアローン価値」と「シナジー価値」です。

2つを合わせた買い手の価値をバイヤーズバリューといい、以下のように表現できます。
「バイヤーズバリュー(買い手の価値)」=「スタンドアローン価値」+「シナジー価値」

本日は、これらスタンドアローン価値とシナジー価値について解説していきます。

スタンドアローン価値とは?そのサイト単体の純粋価値

では初めに、スタンドアローン価値から解説していきます。
スタンドアローン価値とは、そのサイト単体での評価になります。

例えば、スタンドアローン価値には以下のような評価指標が含まれます。

  • 売上
  • アクセス
  • 会員数
  • 検索上位のキーワード
  • 検索変動リスク
  • 外注費

スタンドアローン価値には、売上等の財務指標や過去のアクセス等の実績データからはじまり、検索変動などのリスク要因も含めた総合評価を意味しています。

最近では、サイトM&A取引の相場は月間利益の24ヶ月分と言われていますが、これはスタンドアローン価値だけを見た場合の数値であることがほとんどです。

シナジー価値とは?既存事業との相乗効果

次に、シナジー価値について解説していきます。
シナジー価値とは、相乗効果(シナジー効果)による価値を指しています。
AとBが合わさることにより、単体の足し算以上の成果が生まれるという意味です。

例えば、SEO(検索エンジン対策)によるシナジー効果が考えられます。
SEOでは、同じジャンル同士でリンクを送り合うことで評価が高まります。
(雑な貼り方をしてしまうと逆効果になる場合もあるので注意)

この仕組みを利用すると、元々アフィリエイトサイトを運用していて新しく買ったサイトが同じジャンルの場合、お互いにリンクを送り合うことで両サイトの検索順位がアップし、単体のときよりも利益が増える可能性があります。

その他にも、自社で何かしらの既存ビジネスをしている場合には、既存ビジネスと新しく買収するサイトを組み合わせてシナジー効果を得られる場合があります。

たとえば、美容院を経営している会社が、女性の髪型について情報発信しているアフィリエイトサイトを買収すれば、単純なアフィリエイト収益の獲得以上に、美容院への集客へも役立つかもしれません。

このように、シナジー効果は買収者の状況によって様々な組み合わせが考えられるため、発想次第でサイトM&Aの売買金額を大幅にアップできる可能性を秘めています。

より高くサイトを売るならシナジー価値を意識しましょう。

以上、2つの価値基準について見ていただきました。
ここからは、それら価値基準をもとに、どのような思考になればサイトを高く売れるのか話していきたいと思います。

結論からいうと、サイトを高く売るにはシナジー価値を重視しましょう。

スタンドアローン価値は、毎月の利益やアクセスなど過去の数値をもとにした評価です。
それに対し、シナジー価値は将来的に積み上げられる成果をもとに評価がなされます。

そのため、シナジー価値によって、同じサイトであっても誰が買うかによって売却金額に大きな差が出る可能性があります。

この特性を活かし、

  • 既にサイト運営や既存ビジネスをやっている方に絞って売却先を選定する
  • 買い手にとってシナジー価値に繋がるアドバイスを提供する
  • シナジー効果を発揮するであろう企業に自分から売り込む

などなど、シナジー価値を軸とした売却戦略でいくと、より高くサイトを売れます。

まとめ:2つの価値基準を分けて考えるようにしましょう。

繰り返しになりますが、サイトの資産価値を判断する材料は「スタンドアローン価値」と「シナジー価値」の2つがあります。
それぞれ違う価値になりますので、別々に評価するようにしましょう。

また、自分が買収する側の立場になったときに、いくらシナジー価値があるからといってスタンドアローン価値をおろそかにしてしまうのは危険です。
なぜなら、シナジー価値はあくまで将来的な予測価値であり、実現性が保証されたものではないためです。

そのため、まずは過去の実績から判断できるスタンドアローン価値で資産価値を担保したうえで、シナジー価値を追求していく姿勢を忘れないようにしましょう。