2018年に「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」という書籍が話題になったように、最近では後継者不足で悩んでいる社長さんが増えているようです。この現象はWebサイトのM&Aにも同じことが言えます。
上記の本のように会社ごと買収しないにしても、Webサイトという事業単位での買収も盛んです。かく言う私も独立直後に買収したサイトのおかげで当時を乗り切れた1人であり、サイトM&Aにはとても将来性を感じています。
今でこそ私も株式会社を作り、正社員が複数いるほどになりましたが、起業当時のサイト買収&運営にはそれなりの苦労をした記憶があります。その経験もあって、これからサイトM&Aで起業を考えている方には、出来るだけ近道で成功して欲しいという思いがあります。
そんな思いを込めて今日は、サイトM&Aで独立したい方に向けて、体験談を踏まえながら一連の流れを解説したいと思います。
まずは毎月いくら必要かはっきりさせましょう。
サイトM&Aで独立しようと思うと、どうしても案件情報や売上ばかりに目が行ってしまい、「買いたい気持ち」が先行してしまうと思います。
ですが、「どんなサイトを買うか」「毎月の売上がいくら必要か」は人によって違うものです。単純に案件情報で条件の良いものを選ぶのではなく、まずは”あなたに合ったサイトとは何か”を明確にしたうえで、案件情報を探すのが良いかと思います。
そのために、まずは毎月最低でもいくら必要なのかを計算する必要があります。生きていくために最低限のお金を確保するためです。
サイトの売買金額は毎月の売上によって決まるため、毎月の売上が大きいサイトは金額も高くなります。売上に踊らされて高額なサイトを買ってしまうと、大きな売上が見込める可能性はあるものの、失敗した時のリスクも非常に高くなります。
1件目に買うサイトに関しては、いま手持ちのお金の中から払える範囲内で、なおかつ、サイトの売上があなたの毎月最低限必要な売上付近の案件を選ぶようにしましょう。
または、将来的にサイトの収益が伸びることを見越して、サラリーマンのうちから小規模サイトを買収し、収益が毎月最低限のお金を超えたところで起業するという手段もあります。
初めてのサイト買収は仲介業者を通しましょう。
初めてサイトM&Aをする時というのは、何もかもが分からない事ばかりです。思わぬところに落とし穴があったり、現に怪しげな売却主も存在します。
- 実際のサイト価値より大幅に高額な料金で買ってしまう
- 契約書の内容が売主に有利、または内容が杜撰である
- 買ったはいいもののサーバー移転が出来ない
- 買収後のサポートでもめる
などなど、売主と買主の直接取引ですと、初心者には不利です。もちろん、サイトM&Aに慣れてきて知識や経験も付いてきた場合には、仲介業者を通さず直接取引したほうが手数料がない分コストは抑えられます。
ですが、初めてのサイトM&Aでは仲介業者を通して取引したほうが売主にとっても買主にとっても適正な取引ができます。特に、近い距離間で親身になってサポートしてくれる業者がお勧めです。
例えば、売主と買主のコーディネートや売買契約書の作成、サーバー移転、売買金の管理などトータルで仲介してくれるサイトマであれば安心して取引できます。弊社でもサイトマで買収したことがあります。もしよければご覧ください。
初売買にお勧めなサイトの特徴。これら2点は抑えてください。
では次に、どんなサイトを買収すればいいかを話します。
まず最も重視したほうがいいのは、収益の安定性です。ほとんどのサイトはGoogle等の検索エンジンから集客しているはずなので、検索順位の安定性と言い換えてもいいでしょう。
サイトM&Aの際は売主から過去の損益計算書(PL)やアクセスデータがもらえます。それら数値を確認して毎月の変動が少ないサイトを選ぶと、買収後も安定して収益を出せる可能性が高いです。
逆に、季節変動が大きいサイトであったり、極端にトレンド性の高いサイトの場合、サイトの運用レベルによって収益に大きな差が出るので、買収しても同じパフォーマンスを出せない危険性があります。
それから、もう1つ大きなポイントして、自分でそのサイトを運用できるかというのも大事なポイントです。
簡単なところでいうと、WordPress等のサイト作成システムの使い方などは慣れれば誰でも扱えますが、肝心なのはそのサイトのコンテンツ(記事)を作れるかが問題です。自分で記事を書くか、外部で対応できるライターさんを確保する必要があります。
自分で記事を書く場合は、そのジャンルに対して自分の知識が足りているかも気を付けたほうがいいですし、学びながら運営するにしても、自分がそのジャンルに興味を持てるかも運営のモチベーションに大きく影響します。
理想は、そのサイトのジャンルに対し知識が既にあり、なおかつ好きなジャンルであることです。
必ず買収後の引き継ぎ(運営サポート)がある案件を選びましょう。
サイトM&Aの際に忘れがちなことの1つに引き継ぎ(運営サポート)があります。どうしても売上やアクセスデータに目が行ってしまうのは分かるのですが、買収後に同じパフォーマンスを出すには、引き継ぎが必ず必要です。
引き継ぎといっても内容は様々で、主な契約内容は下記の3つになります。
- 引き継ぎなし、サイトを売買するだけ
- 作業マニュアルの提供
- 電話、メール、チャット、MTG等を通じて運営サポート
中でも、サイト買収初心者の方は必ず最後の運営サポートが付いている案件を選んでください。サポート期間は売却者によりけりですが、3ヵ月あると安心です。
運営サポートは買収したサイトのパフォーマンスを維持するのにも大事ですが、それ以上にノウハウや技術の引き継ぎに意味があります。
サイトを売却する方というのは、既にサイト運営によりお金を稼ぐ能力が備わった人です。その人から直接指導を受けることで、同じように稼ぐ能力が身に付きます。サイトM&Aには、サイトを買収する以上にこういった経験やノウハウを買い取るという意味もあります。
ただし、どんなに能力が高かったとしても、あなたと売主の相性が合うかどうかは別問題です。価値観が合わずにギクシャクしてしまうと引き継ぎもうまくいかないので、サイトを選ぶだけでなく売却者と意気が合うかどうかも意識するようにしましょう。
まとめ:サイトM&Aはリスクもありますがリターンも大きいです。
以上、ざっくりではありますがサイトM&Aで独立起業する流れです。
サイトM&Aは投資と同じで、失敗して思ったより儲からないリスクがあります。ですが、それ以上に大きなリターンも見込めます。サイトを育てて売上を伸ばしていったり、リノベーションしたサイトを買収額以上で転売できる可能性です。
かく言う私も、2015年に起業した当時からサイトM&Aに取り組んでおり、過去には買収したサイトの売上を20倍まで伸ばせた経験もあります。それだけサイトM&Aには大きな魅力があるのです。
今後起業したいけれど何から始めたらいいか分からないという方は、サイトM&Aも1つの独立手段としてお勧めです。是非検討してみてくださいね!