サイト売却

サイト売却のメリットとは?リスクも合わせて解説!

「サイトを売却したいけど未知の世界なので不安」
「サイトを売る際のメリットやリスクを知りたい」

こんな風に思ってはいませんか?

サイト売却には様々なメリットがあります。ただし、良い事ばかりではありません。
もちろん、そこにはリスクも存在するので注意が必要です。

そこで本日は、サイト売却のメリットとリスクについて網羅的に解説しようと思います。
ぜひ最後までお読みいただき、サイト売却の知識を身に着けてください。

サイトを売却するメリット

サイトを売却するメリットは、金銭面はもちろん、その他にもたくさんあります。
1つずつ見ていきましょう。

利益の「先取り」ができる

どんなに良く作られたサイトであっても、永続的に儲かることはありません。
検索アルゴリズムのアップデートによる検索順位の変動であったり、そのジャンルの流行が去ってマーケット自体が縮小するなど、サイトの売上が落ちる可能性を常に秘めています。

そのため、将来の不確かな売上よりも、当面1〜2年分の売上を先取りし、サイトを売却することで確実な資金を手に入れることができます。

新事業のための「資金調達」になる

「サイトを売却したあと、売り手はその先何をするの?」と思う方もいるでしょうが、サイト売却者の中には、新規事業のためにサイトを売却して資金調達する方もいます。

一度何らかのビジネスで成果を出していれば、他のビジネスで成功する可能性も高く、「サイトの運営は飽きたから、別のビジネスでもやってみるか」という気持ちでサイトを売るのでしょう。

もちろん、今とは違ったジャンルで勝負したくなったために、手持ちのサイトを売って次のサイトを作る資金にする、という方もいます。

「時間」が手に入る

サイト運営は想像以上に時間がかかります。
コンテンツの企画、キーワード選定、検索結果のリサーチ、ライティング、画像作成、広告選定、アクセス解析など、やることを挙げればキリがありません。

サイトを売却すると、そういった作業からも解放され、自由な時間が手に入ります。
自由な時間とお金が手に入れば、ある程度の期間をのんびり暮らしたり、今後なにをしようか考える期間を作れますね。

また、サイトを多展開している場合には、フォーカスすることで売上を爆発的に伸ばせる可能性もあります。
かの有名なドラッガーさんも、以下のように言っています。

「成果をあげる人は、多くのことをなさなければならないこと、しかも成果をあげなければならないことを知っている。したがって自らの時間とエネルギー、そして組織の時間とエネルギーを、一つのことに集中する。もっとも重要なことを最初に行うべく、集中する。」

引用元:『プロフェッショナルの条件』ピーター・F・ドラッカー著

検索変動の「不安」から解消される

サイトを運営すると、作業の手間とは別に、検索順位の変動と常に向き合わなければいけません。
競争の激しいキーワードほど、そのストレスは大きいものです。

いわゆる「儲かるキーワード」ほど狙っている人も多く、古参・新規問わず、手間とお金をかけてしのぎを削っています。
また、サイトのジャンルによっては検索順位の変動が激しい場合もあります。

今回の大変動によって、「日用品・家財」「財務、金融、法律」系のキーワードを筆頭に各ジャンルの順位変動幅が大きくなってます。
こうした状況から、全体的な順位変動幅も増大してる状況です。

引用元:【Google大変動】2019年6月19日からGoogleで大きな順位変動 | SEOラボ

そういったストレスから解放するためにサイトを売る方もいます。
変化や競争が好きな方もいれば、安定が好きな方もいます。
自分に合ったビジネスをしたいものですね。

「自分」が運営する以上に育ててもらえる可能性がある

サイトを運営している方なら分かると思いますが、ジャンルによっては自分の能力や知識に限界を感じるときがきます。

そんなとき、自分で辛い思いを抱えながらサイトを運営するのではなく、そのサイトの運営に見合った方に引き継ぐことで、そのサイトを更に育ててもらえる可能性があります。

本心を言えば「自分で育てたい」、でも、サイトをより良い形で発展させるためには、サイトを売却するのも1つの手段となります。

新しい「人脈」が手に入る

サイトM&Aはサイトを売り買いするだけでなく、人との関わりが色濃く出る商売です。
そのため、M&Aの取引をした者同士で仲良くなるケースは多く、M&A後も付き合いが続くことがあります。

なかには、お互いにビジネスをしている者同士、M&A後にビジネスパートナーになるさえあります。
このような人脈形成もサイトM&Aの醍醐味と言えます。

サイトを売却する際のリスク

先ほどまではサイト売却のメリットを見てきましたが、ここからはリスクについてお話します。
何事もメリットとリスクは隣りあわせですから、しっかり確認しておきましょう。

もっと「儲かっていた」可能性がある

サイトM&Aは、世の中のトレンドや検索エンジンの環境によって売却額が大きく変わります。

市場が伸びきったタイミングで売却すれば売却額は最大に近づきます。
逆に、市場が過熱する前であったり、衰退してから売却すると、売却額は小さくなります。
そのため、「いまのタイミングが売り時かどうか」の判断が重要です。

この辺りを簡易的に調べるツールとして、Googleトレンドが役に立ちます。
Googleトレンド

「情報収集」だけされる可能性がある

サイトM&Aに取り組まれる方の中には、善良な方もいればそうではない方がいるのも事実です。
たとえば、サイトを買いたい振りをしてそのサイトのURLや強み、アクセスデータや売上データなどを収集し、結局は買わないというケースも多いです。

もちろん、買わない方がみんな情報収集のために近寄ってきたとは言いません。
ですが、最初から情報収集が目的の人が少なからずいるということは肝に銘じておき、情報開示の段階から買手を選別していくことも必要です。

最低限、秘密保持契約書(NDA)は事前に結んでおくようにしましょう。

同じジャンルのサイトを一定期間「運営」できない

サイトを売却する際、売り手には競業避止義務が発生します。
競業避止義務とは、売ったサイトと同じジャンルでは一定期間ビジネスが出来ないという規定です。

そのため、サイトを売る際は、当分そのジャンルには手を出さない覚悟が必要です。

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「税金」が発生する

サイトを売却するとあなたの元へお金が入ってくるため売上が増えます。
売上が発生すれば、税金を支払わなければいけません。

税率については売上に応じて変動し、個人として売却したのか法人として売却したのかによっても税制が異なります。
詳細な税務処理の方法については、税理士の先生に相談するようにしてください。

個人と法人の税率比較に関しては、こちらの記事も参考になります。
参考:個人事業主と法人どちらがオトク?会社設立・事業運営にかかるコストまとめ

「燃え尽き症候群」になる可能性がある

スポーツの世界でよく聞く燃え尽き症候群。サイト売却でも起こる可能性があります。

今まで時間と労力、お金をかけて大切に育ててきたサイトが急に手元から離れる。
売却するメリットはたくさんあれど、寂しい気持ちになってしまうのが人間です。

燃え尽き症候群にならないための対策としては、サイトを売却する前に次の目標を見つけておくこと。
そうすれば、サイトが手元から無くなった寂しさはあるものの、次の目標に向かって進み始めることができます。

「ストック収入」を失う

サイト運営による広告収入は、季節変動があるものの毎月一定の売上が見込めます。
いわゆるストック型の収入です。ストック収入は事業の持続性において非常に重要です。

ストックビジネスの専門家、大竹さんもこのように言っています。

たとえ仕事を取ったとしても、恐怖が少しも減らない理由は単純明快です。来月もその仕事が取れるかどうかわからないからです。
もし来月も、食べていくのに困らない分の売り上げが計算dけいるとしたらどうでしょうか。その恐怖がやわらぐことになるでしょう。少なくとも、寝られるようにはなるのではないでしょうか。それを解決するのが「ストック」なのです。

引用元:2015年 株式会社ポプラ社出版 大竹啓裕 『ストックビジネスの教科書』10Pより

サイトを売却した後どういった道に進むかにもよりますが、そのサイトを売ったとしても残りの事業が成り立つのか、税務面での試算はしておいたほうがよいでしょう。

サーバー移転や契約書作成において「揉める」可能性がある

サイトを売却するには、売買契約書を作成したり、あなたのレンタルサーバーから買主のレンタルサーバーへサイトを引越す必要があります。

これらはいずれも専門家の知識・技術を必要とする仕事であり、素人の方がおこなうと思わぬ事故や揉め事になってしまう危険性があります。

こういった揉め事を避ける1つの方法としては、契約書の作成やサーバー移転まで面倒を見てくれるサイトM&A仲介業者を選ぶことです。

「サポート」の手間が発生する可能性がある

サイトを売却する際、買手によっては買収後のサポートを求められる場合があります。
特に、初めてサイト運営をされる方が買収する場合、サポートが必要が必要と考えたほうがいいでしょう。

サポートの内容や期間は売手と買手で交渉のうえ、契約書に記載されます。
売却後のサポートを避けたい場合は、サイト運営に慣れている方に絞って売却を検討し、契約内容からもサポートを外してもらうようにしてください。

メリットとリスクを計算し、先を見据えた売却を目指しましょう。

サイト売却しようとしてサイトM&A仲介業者に査定を出すと、「500万円で売れると思います!」などの返事が来るかもしれません。
一見、数百万という数字を見ると心が躍ってしまい、すぐに売りたくなる気持ちも分かります。

ですが、ただサイトを売るといっても、先ほど挙げたようなメリットとデメリットが存在します。
良い面、悪い面はどうしてもトレードオフになってしまうため、どちらの面も比較しながら売却を検討するようにしましょう。