サイト買収

新規メディア立ち上げとサイトM&Aの比較。サイトM&Aを活用した新規チャネル獲得、集客アップ戦略

徹底比較新規メディア立ち上げ、サイトM&Aについて!

インターネットからの集客を増やしたい。」そう考えているビジネスオーナーは多いと思います。ところが、昨今のネット集客はSEOにおけるYMYLや大手企業有利の影響もあって、新規メディア立ち上げによる集客は厳しい状況です。

Webサイトを立ち上げても成果が出るまでの時間は長く、また、以前にも増してコストがかかるようになりました。事業投資する側の身としては「本当に時間とお金を掛ける価値があるのか?」と感じてしまい、なかなか手を出せずにいる方も多いことでしょう。

そんな中、新たなチャネル獲得の手法として、サイトM&Aの可能性が高まってきています。既に成果の出ているメディアを買収し、自社で運営を引き継ぐことで、より成功率の高い形で集客アップを狙うことが可能です。

ということで本日は、サイトM&Aを活用した新規チャネル獲得と、集客アップの戦略について解説していきます。自社で商品やサービスを持っている企業には有益な情報かと思いますので、是非とも参考にしてみてください。

新規メディア構築と既存メディア買収のコスト比較

まずは、新規メディアを構築してネット集約する場合と、サイトを買収して運営していく場合のコストを比較しておこうと思います。

具体的なサイトの条件を決めたほうが比較がしやすいため、ここでは「100記事のコンテンツが入ったオウンドメディア」を新規で構築する場合と、買収する場合の2パターンでコスト比較してみます。

新規メディア構築と既存メディア買収のコスト比較
項目新規メディア構築既存メディア買収
時間3ヵ月~12ヶ月買収後すぐ
資金100~200万円50~300万円
労力非常にかかる引き継ぎのため比較的ラク
思考企画に頭を使う改善に頭を使う
精神面立ち上げ時がきつい既に成果が出てるので気楽

上記表の通り、「時間」「資金」「労力」「思考」「精神面」の5つの項目にて比較しています。
順番に内容を見ていきましょう。

時間コスト:サイトを買収する場合は時間を短縮できる

表にまとめた内容を1つ解説していくと、まず最も言及すべきは「時間」です。
Webメディアを1から立ち上げた場合、SEOをかけて検索エンジンに上位表示させ、アクセスを集めるまでに少なくとも3ヵ月、大体は半年~1年ほどはかかります。

また、最近は大手ドメインが有利な状況が続いており、新規で立ち上げても成果が出ずに終わってしまうケースも多くなっています。

それに対し既存メディアを買収する場合には、既にアクセスを獲得している媒体を手に入れるため、「最低限これぐらいはアクセスを確保できる」というボトムラインが見えている点が大きな違いです。

これが「サイト買収は時間を短縮できる」と言われる所以です。

資金コスト:買収する場合は相場変動が大きい

新規でWebメディアを立ち上げる場合と、既存のメディアを買収する場合で、必要な資金にも大きな差があります。新規でWebメディアを立ち上げる場合には、それほど大きな資金の差はありません。

この場合、サイト制作費、ライター代、ディレクションにおける人件費の3つが主なコストになります。

既存メディアを買収する場合は、コンテンツの質や現行のアクセス数によって変動が大きく、また、検索エンジンのアップデート状況によっても異なります。

検索エンジンのアップデート直後など、買手の心理的プレッシャーが大きくなっている時期は買収相場がガクッと下がるため、割安な価格にて買収することが可能です。

そのため資金面においては、新規で立ち上げるほうが安く済む場合もあれば、買収するほうが安く済む場合もあります。買収する場合は取り組む時期を慎重に考慮する必要があります。

労力コスト:新規は大変、買収は引き継ぎなのでラク

両者の労力に関して、新規の場合は1からコンテンツを作り上げる必要があります。
リサーチやデザイン、ライティングなど非常に大きな手間がかかります。

それに対して既存メディアを買収する場合には、既に存在するコンテンツを買い取る形になるため、データの移行さえ終わってしまえば資産サイトが手に入ります。

また、既に形の出来上がっているサイトを買収してしまえば、コンセプトやサイトの方向性は既に出来上がっているため、その波に乗るだけなので比較的ラクです。

思考コスト:新規は頭を使う、買収は地道な改善が必要

新規で構築する場合はサイトのコンセプトやコンテンツの内容、デザインなどを考える必要があり、非常に頭を使います。

この企画段階で方向性を誤ってしまうと、せっかく時間とお金をかけて作ったサイトにもかかわらず、全く成果に繋がらない可能性もあります。

買収したサイトであればこの辺りの基盤は出来上がっているので、あとはその流れを維持するという意味でリスクが低いです。

精神的コスト:立ち上げは我慢が必要、買収は安心感あり

コストというと時間やお金にばかり目が行きがちですが、実は精神面のコストも非常に重要なポイントです。

新規でサイトを立ち上げる場合、前述の通り、成果が出るまでに時間がかかります。
それに対しサイトを買収する場合、既に成果が出ている状態で引き継ぐため、買った瞬間から成果が発生します。

モチベーション維持という観点で見ると、サイト買収のほうが断然有利と言えます。

既存サイトを買収し新規チャネルを獲得するメリット

それでは、具体的なサイトM&Aによるチャネル獲得と集客アップの話に入っていきます。

突然ですがあなたは、ビジネスをするうえで最も大切なことは何だと思いますか?
現代経営学の父「ピーター・ドラッカー」はこう言いました。

企業の目的は顧客創造である

つまり、企業が最も大切にすべきは顧客を作り出す行為であり、それが企業存続に繋がると述べています。これは、よくよく考えてみると当たり前のことです。企業が生み出す利益の源泉はクライアントが支払ってくれるお金であり、クライアントがいなければ1円の売上も利益も発生しません。

その意味において既存のサイトを買収するという戦略は、新規のチャネル、つまり顧客想像の手段を獲得できるというメリットがあります。

まだネットで上手く集客できていない企業はもちろんのこと、既にネット集客に成功している企業であったとしても、チャネルを増やす、チャネルを分散することは企業存続において非常な課題と言えるでしょう。

サイトM&Aによる新規チャネル獲得、集客アップ戦略

ここからは、どのような考え方や姿勢でサイトM&Aに取り組めばよいか解説していきます。

自社商品、サービスにシナジー(相乗効果)のあるメディアを買収する

まず第一に取り上げるのは、シナジー(相乗効果)についてです。

サイトを買収する際、様々な資料や数字データをみることになります。
そこでやってはいけないのが、売上や利益だけでサイトの価値を判断することです。

キュレーションサイトやアフィリエイトサイトというのは、売上のほとんどが広告収入です。ということは、広告主が出稿を辞めてしまったり、単価を下げるとそれに連動してサイトの売上も下落します。

つまり、広告から生まれる売上は水物であり、大きく変動するリスクがあります。

そのため、売上や利益の数字だけで判断せず、自社商品やサービスに集客するためのサイトとして活用できるようなサイトを選ぶようにしましょう。そうすれば、買収したサイト上での既存の売上に加えて、自社サイトへの流入と売上アップが見込めます。

必要な人材や協力者を事前に用意しておく

骨董品や不動産に鑑定士がいるように、Webサイトも価値を査定する人間がいます。それはサイトM&Aの仲介業者しかり、サイトM&Aアドバイザーしかりです。

仲介やアドバイス料を節約しようと自分でサイトM&Aに取り組む方も多いのですが、ポイントを外してしまうと大金を払ったのに痛い目を見ないとも限りません。

また、サイトM&Aはサイトの価値査定だけでなく、売買契約書の作成やサーバー移転、その後のサイト運営など、様々な知識やノウハウが必要になります。

そういったリソースも揃っているか事前に確認しておきましょう。

想定される成果を数字に落とし込んで考える

サイトM&Aの交渉時に提示されるデータは過去の数字に過ぎず、将来を約束した数字ではありません。そのため、過去の実績や市場の状況をもとに、将来の数字をある程度予測しておく必要があります。

例えば、下記のようなポイントを検討しておくとよいでしょう。

  • サイトジャンルの市場はあと何年続くか?上がるか下がるか?
  • Google検索におけるYMYL等、集客経路へ急な変動が起きる可能性はあるか?
  • 予想される売上や経費をもとにした利益の推移
  • 投資金回収までの期間
  • 自社サービス、商品の集客に利用した場合の売上変動

もちろん、最初からうまく数字予測を立てられるわけでありませんし、慣れたからといって完全な予測ができるわけでもありません。

ですが、具体的な数字に落とし込むことで、「上手くいけばこのぐらい」「万が一ダメでもこの程度の損害」など、準備をしておくことができます。

特に、ボトムラインの予測は事業の存続にも関わってくるため、マストと言えるでしょう。

想定した通りにいかない場合のリスクヘッジを複数用意する

ここまでいくつかの戦略をお伝えしてきましたが、どんなに準備しても想定通りにはいかずに失敗してしまうこともあります。

仮にうまくいかなかった時に備え、リスクヘッジは以下のような点を意識します。

  • バックリンクサイトとしての価値
  • 純広告が獲得できそうなサイトか
  • アフィリエイト商材の変更
  • 売却できるか

仮に、買収したサイトでの売上が落ち込んでしまい、想定よりも投資金の回収が遅れたとします。ですが、そのサイトから自社サイトへのバックリンク効果、集客効果が生まれていれば、会社全体として見たときに買収に成功したと言えます。

また、元々サイト上に載せていた広告について、サイトジャンルに関連する企業から純広告を獲得する、掲載しているアフィリエイト商材を変更するなど、サイトの収益性を高める余地があるかどうかも重要です。

最後に、もし自社での運営が難しくなった際に備えて、あとあと売れるサイトを選ぶというのも大事です。市場が盛り上がっていたり、競合が多く集客に困っている会社が多い分野であれば、買手も見つかりやすいです。

中小企業が新規チャネル獲得のためにサイトM&Aに取り組む場合の具体的な買収サイトの選定基準

一口に中小企業といっても業種や従業員数、扱っている商品やサービス、利益率、内部留保によって買収サイトの選定基準は変わってきます。

ですので、ここでは初めてサイトM&Aに取り組む場合はまずどれぐらいの規模のサイトを買収すればいいのか、アクセス数や金額についてお話したいと思います。

初めてサイトM&Aに取り組む場合の買収サイトの選定基準
項目選定基準
アクセス数月間10,000PV~
金額50~300万円
キャッシュポイントASPまたはアドセンス
集客手法SEO、SNS、メルマガ

まず大前提として、アクセスを取れてるサイトしか買ってはいけません。ある程度のアクセス数がないと自社サイトへ誘導してもインパクトが小さいです。

また、アクセス数が少ない状態のサイトに対して何か改善をしても、得られる結果のデータ量が少ないため、効果測定に時間がかかってしまいます。

そのため、最低でも月間10,000PV以上のサイトを買収しましょう。一番お買い得なのは、アクセス数がたくさん取れているわりに売上が小さいサイトです。自社サイトに誘導することで売上が化ける可能性があります。

買収金額に関しては会社の内部留保によりますが、ある程度のクオリティを担保するためには最低でも50万円は用意しましょう。

決算期で大きなお金を使える状態であったり、銀行融資等のあてがある場合には、200~300万円のサイトを買うとよいでしょう。

逆にいうと、どんなにお金が余っていても、初めてのサイトM&Aで1000万以上など大金を入れるのは危険です。ある程度経験して慣れてから金額を増やしましょう。

サイトのキャッシュポイントに関しては、ASPを通じたアフィリエイトであったり、アドセンスのものを選んでおけば問題ありません。

サイト買収によるチャネル獲得はどのステージの企業にも有効です。

これから起業する、会社内で新規事業立ち上げ、集客力の底上げにしたい、下請け脱却の突破口として活用したいなど、どのステージの企業にとっても大きな一手となり得ます。

特に、まだWebが浸透していない業界であったり、インターネットでの集客が出回っていない業界ほどサイトM&Aに取り組む競合が少ないためチャンスです。

是非、企業の新たな成長戦略の1つとして、サイトM&Aを検討されてみてください。
サイトM&Aに関してお困りのことがあればこちらのお問い合わせからご連絡お待ちしております。